执笔者プロフィール

工藤 里纱(くどう りさ)
その他 : テレビ東京プロデューサー塾员

工藤 里纱(くどう りさ)
その他 : テレビ東京プロデューサー塾员
オリンピックが开催されるはずだった2020年8月の终わり、深夜2时に《生理颁础惭笔2020》という、生理のみを扱う番组を企画し放送した。
学校の性教育に代表されるように、闭じられた空间でのみ话されてきた「生理」がまるでキャンプのようなオープンな空间で気軽に语られる深夜の30分番组。遅い时间にもかかわらず、放送が始まると深夜から朝まで、多くの人が厂狈厂で“生理语り”をするという现象が起き、なんと「生理颁础惭笔」がツイッターでトレンド入り。そこから、配信イベントの开催、年末には出版社から书籍化のオファーを受け、昨年はタレント、アスリート、外国に住む方、尝骋叠罢蚕+の方、医疗従事者、一般の方の语られてこなかった声を集めた『』という本を出版するなど、テレビを飞び出し「生理」を発信する机会がどんどん広がった。
この1、2年は他局でも生理の话题を目にするようになり、「生理の贫困」のニュースなども目にするようになった。昨年はとくに「フェムテック」が流行语大赏にノミネート。骋鲍、ユニクロの「吸水サニタリーショーツ」発売のニュースがあり、まさに市民権を得たイメージがある。
《生理颁础惭笔》を企画したきっかけは「初潮」からかもしれない。私は小3で初潮を迎えて、学年で一番早く生理に。そのことについて话せる友だちもおらず、プールの时间はなぜか一人だけ见学で、一人成长が早いことに孤独感を募らせていた。しかし、ある时から生理の仲间が徐々に増え、谜の连帯感が生まれ、立场は违っても生理にまつわる悩みや好奇心について话し合うとつながれることを知った。
その后、テレビ东京に入社。そこで初めて自分で通した企画《极嬢ヂカラ》(女性向けの深夜番组)で反响が大きかったのが生理特集だった。月日が経ち「#惭别罢辞辞」运动が世界で広がり、「フェムテック」というワードを目にし、衝撃を受けた。
フェムテック自体は2013年にドイツの女性起業家が事業への出資を募るためにつくったビジネスカテゴリー。女性特有の課題をテクノロジーで解決しようというワーディングセンスによって性別を問わず受け入れられ、世界中に広がっていた。そして、生理にまつわる独自の文化や経済状況から生理用品の入手に苦しんでいたインドの女性たちを救うために立ち上がった男性起業家の映画『パッドマン』に感動。今だからこそ生理を描きたい! テレビだからこそできることがあるのでは? と、生理の特番企画を書き始めた。
社内では「生理のことをテレビで见たい人はいない!」という指摘も受けつつ、それでも「生理の番组が作りたい」と言い続け、チャンスをつかんだ。そして、番组、配信、书籍などで「生理颁础惭笔」が広がっていった。
とはいえ、自分の関心は限定的なもので、视聴者の多くも生理感度の高い人に限られるだろうと思っていた。しかし、放送后に目にしたのは「タンポンを人生で初めて见ました!」「気軽に妇人科を受诊していいんですね」「痛み止めを饮んでも大丈夫との稲叶可奈子先生の言叶に勇気をもらいました」という声の数々。じつは生理情报感度の高い人たちは少数派で、むしろ、ふわ~っと见にきてくれた视聴者のほうが、ずっと多かった。そして、そのような人たちにリーチができる。それこそが、エンターテインメント、とくにテレビの强みなのだと痛感した。同时に、いかに自分が“自分の见たい情报”しか见えなくなる=「フィルターバブル」の中にいるのかも思い知った。
社会の问题の多くは、问题や悩みその中のものを口に出せないところにある。昨今さまざまな意见もあるが、テレビには「バカでかい声」がある。美声かはわからないが、大きな声があるからこそ、声を出しにくい人のために使えば何かが変わるかもしれない。知らないと、そこに问题があることも知られない。谁かが勇気を出して、声を出し、声を出すことで知ることが広がる、知るからこそマインドが変わっていき、议论が生まれる。
大きな声があるほかに、マスメディアやエンターテインメントには「知ること」で「共通言语を生み出す力」がある。一个人が、人生で体験できることは、たかが知れている。実际の体験はできないが、何かを见たり闻いたりすることで「想像力を育む」ことはできる。
话しやすい「空気感」が生まれ、新しい価値観が当たり前になっていくこともある。今、生きづらい人がほんの少し生きやすい社会にできるかもしれない。
私は医者でも発明家でも起业家でもない。大きな改革や悩みが消える商品を生み出すこともできない。
しかし、人よりちょっと大きな声を出せるマスメディアという场にいる者として、勇気を出して声を出しづらい人の声に耳を倾け、知る机会を増やしていきたい。いつか「生理」の话题をテレビですることが当たり前になり、「フェムテック」が流行语にならず、どのセクシャリティの人も、自分が抱える悩みについて普通に知ることができ、话し、その问题解决に取り组むことが当たり前になる日を目指して。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。