执笔者プロフィール

田中 浩一郎(たなか こういちろう)
政策?メディア研究科 教授
田中 浩一郎(たなか こういちろう)
政策?メディア研究科 教授
画像:テヘラン北部タジュリーシュ広场にあるイマームザーデ?サーレ圣庙
提供:贯井万里
中东の地域大国イランは、亲米路线のパフラヴィー国王を廃したイラン革命以后、イスラーム共和国体制の下で40年にわたって反米を标榜してきた。それゆえ、革命体制を认めない米国との対立が常态化したのも当然である。そして、不拡散分野における多国间外交の成功例と称賛されたイラン核合意に当初から否定的であったトランプ大统领が2018年5月にその核合意から离脱し、イランに対して史上最强と称する経済制裁を科すことによって、事态はいっそう紧迫化する様相を见せている。
イランは、米国の介入主义の様子を捉えてこの超大国を大悪魔と名指しし、対する米国は、イランを中东地域における诸悪の根源と断じることで、両国は互いを容赦なく批判してきた。米国は、イランが国际社会に受け入れてもらう上で、まずはその行动を正すべきであるとして、12项目の要求の受诺を迫っている。その中には隣国に対する干渉の停止、武装组织との関係の清算や弾道ミサイルの拡散の终结など、妥当な事项も认められるが、いまなおイランが一方的に履行を続ける核合意狈笔罢(核兵器不拡散条约)で认められた核活动すら止めることが含まれている。
このようにトランプ政権は、イランに全面降伏を强要しているが、国连安保理决议の里书きを受けている核合意からの离脱によって、米国が安保理决议と国际法に対する违反を犯している事态を省みない。米国内手続きに反してサウジアラビアへ核技术を秘密里に提供する一方、イランにはNPT上の権利さえ放弃させようとしている。圧力に屈しないイランに加えて、イランの通商相手に対する二次制裁の适用という悪意を示している。これは、安保理决议を真挚に履行する第叁国に対して惩罚を下すというパラドックスを生じる愚行である。
イランの発する胁威について、実态以上に事を大きく捉え、恣意的かつ作為的な演出が行われることも少なくない。その多くはトランプ政権が、イランを実存上の胁威とみなすイスラエルおよび仮想敌国と位置づける一部のアラブ诸国の思惑に踊らされていることの影响である。
これら米国の友好国は、実は、イランに行动の変化を求めるのではなく、长くイランの体制転换を唱导してきたボルトン大统领补佐官とともに、现体制の崩壊を企図していると推定される。その路线に乗っているトランプ政権は、対イラン军事作戦発动の口実に使える「反応」を引き出すことに期待をかけ、执拗にイランを挑発することで事态を発展させてきた。
当のイランは、トランプ阵営が2020年秋の选挙で败退することに活路を见出す上で「笼城」を决め込み、あらゆる挑発を往(い)なそうとしている。その一方で、核合意に関して米国とは一线を画する欧州に、核合意の対価であったはずの経済関係の拡大を期待してきた。だが、大西洋间に亀裂が生じていても、米国が振りかざす金融制裁に対して欧州ができる抵抗は限られている。そして、米国からの制裁によって多大な损失を被るリスクのある民间公司のビジネス判断を欧州诸国政府が覆すことは不可能である。また、イランの人権问题と弾道ミサイル开発に悬念を示す欧州が、一様に无条件でイラン支持というわけでもない。
相手に対する不信感は、イラン侧も同じである。歴史上の帝国主义に対する苦い记忆もあるが、これまで核合意を遵守してきたイランは、合意の履行事项の一部を停止することで、米国のみならず欧州に最后通牒を突き付けている。最近では、イランの反体制武装组织の活动が欧州诸国で顕在化していることについて、やはり欧州の意図を疑っている。かように状况は不安定である。
いまペルシア湾の近隣では穏やかでない动きがますます増えている。インド洋に面したオマーン湾でのタンカー被灾、サウジアラビアの国内パイプライン被弾、バグダードのグリーン?ゾーンへのロケット弾攻撃、度重なるホルムズ海峡封锁の胁し、有力アラブ纸が掲げる対イラン报復攻撃论など、5月だけでもひしひしと高まる紧张を象徴する事案が连日のように起きている。相互に挑発する言动が続く中、イランと米国の指导者がそれぞれに军事衝突を求めていないと公言したとしても、偶発的にそこに至る可能性を排除し得なくなっている。それがいかなる事态をもたらすことになるのか、自明であろう。
日本が置かれた状况も欧州と大きく异なるわけではない。改めて导入された米国の二次制裁によって、原油取引を中心とする日本とイランとの経済関係は危机に濒している。それは不拡散に向けた长年の努力の赐物であった核合意が崩壊する序章でもある。
トランプ大统领も参加するG20大阪サミットは、イランに引き続き戦略的忍耐を求める一方、増进する紧张の责任をイランに帰する场となる可能性がある。议长国としてイランに自制を求めるならば、バランス上、合意履行への対価を保証し、さらには危机を深めた米国を諫めなければならない。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。