执笔者プロフィール

平井 俊邦(ひらい としくに)
その他 : 公益財団法人日本フィルハーモニー交响楽団理事長塾员

平井 俊邦(ひらい としくに)
その他 : 公益財団法人日本フィルハーモニー交响楽団理事長塾员
は、政府の2月26日付文化イベント自粛要请を受け、お客様と演奏者の健康を守ることを第一义に、2月29日以降の演奏活动を全て自粛した。6月末までの実に47公演を中止。加えて、45年间継続した、子供と家族3世代で楽しむ「夏休みコンサート」18公演も中止を余仪なくされた。
毎月の収入はゼロ、楽団维持のための固定费は月5千万円と、事态の长期化で経営は逼迫。社会的距离の规制等で完全な形での演奏活动の再开の目途が立たない现在、2020年度は4亿円を超える赤字を抱える。その结果3亿円超の债务超过に陥り、日本フィルは、〈楽団存続の危机〉を迎えてしまう。
楽団の経営を维持し事业を継続するためにはキャッシュフローの确保が必须。幸い金融机関の理解が得られ4亿円の借入枠の确保の目途がつき、1年程度の活动が保証された。この间に次の手を打つ以外にない。もともと処遇の高くない楽団员も自ら给与カット、定期昇给や赏与なしを决意して、「日本フィルの活动を存続させてほしい」と、なりふり构わず寄付等の支援を世に诉えはじめた。
楽団员は、2月下旬より集っての练习ができず、各自で研钻に努めて来た。しかしオーケストラとは、アンサンブル力を高めることで演奏に磨きをかけていく集団である。64年にわたって筑き上げてきた日本フィルの伝统あるサウンドを何としても守らねばならない。そしてまた、お客様に音楽を届けられないことに楽団员は皆苦しんでいる。日本フィルは音楽を通して多くの人々との交流を大切にし、身近な场所に音楽を届けてきた。「音楽を介したコミュニケーション」そのものが分断され、生活の周りから文化が消えていく危机すら感じている。音楽文化全体が危机に直面していると言える。
コロナ祸で世界中の演奏家が続々と演奏のネット配信を始めた。新日本フィル有志のテレワーク动画「パプリカ」は100万回を超す再生回数となり、ステイホームの人々の心に灯を灯した。日本フィルも、テレビマンユニオンとの协働で、过去の演奏映像を「クラシックちょい聴き」として公开。テレビ局の支援のない楽団、合唱団など多くの団体も参加し、繋がりの轮が出来た。
日本フィルが东日本大震灾以降293回続けてきた「被灾地に音楽を」の访问活动も休止となったが、6月に入り、交流のあった宫古高校吹奏楽部とオンライン座谈会を试行。演奏が出来ないと悲観していた高校生が、真挚に向き合う演奏家との対话で生き生きとした颜に変わった。コロナ祸を克服する音楽の力の一端を见た。
そして6月10日、永い公演自粛のトンネルを抜け、サントリーホールとの共催で「とっておきアフタヌーン?オンラインスペシャル」(无観客公演、有料ライブ配信)を开催。日本のオーケストラの公演再开の先駆けとなった。政府等の公的ガイドラインを守り、弦楽器21名の?ソーシャルディスタンス?アンサンブル?が広上淳一指挥のもと、演奏会正常化への长い道程の第1音を奏でた。
コロナ祸は日本フィルのみならず、オーケストラ业界全体の経営を根底から危うくした。各楽団は年间2?5亿円程度の损失が予想され、债务超过になるところ、ならなくても正味财产の大きな毁损が生じる。业界全体の损失は数10亿円に达するのではないか。
総事业费を演奏料収入では贿えず、助成金、寄付金、协賛金等の外部资金で収支を合わせているのがオーケストラの経営実态である。大きなスポンサーを持たない大都市型自主运営の楽団は、収入に占める演奏料の比率が高く6、70%に达する。演奏会の中止は当然损失额を大きくし、悲鸣の度合いは高くなる。个别団体の危机であるが、业界全体もまたこの负の遗产を抱え长い间苦しむことになる。これは音楽団体だけでなく、文化芸术団体が被っている危机でもある。
また、オーケストラのほとんどが公益财団法人であり、年间の収支をトントンにしなければいけないという「収支相偿の原则」に缚られている。その上、正味财产300万円を2年连続で下回ると解散となる厳しい制度だ。経営努力を遥かに越えたこのような事态の対処には、资格丧失の犹予期间の设定と併せ永久劣后ローン等、国による大幅な资本注入が必要である。公司救済の手段であるが、収益を生むことの出来ない文化芸术団体にこそ适用されるべきではないか。文化芸术の毁损を最小限に抑えることが今、问われている。
コロナ祸の中で文化芸术のなくなった世界がいかに空虚で乾いた世界であったか我々は思い知らされた。文化芸术が生活の中でなくてはならないものであり、心の健康に必须であることを痛切に突き付けられた。
「社会?経済?文化」を同列にコロナ祸に临んだ国もある。文化芸术の重さをもう一度考える时ではないか。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。