执笔者プロフィール

本桥 润子(もとはし じゅんこ)
その他 : 産業能率大学情報マネジメント学部准教授塾员

本桥 润子(もとはし じゅんこ)
その他 : 産業能率大学情報マネジメント学部准教授塾员
続発する公司不祥事、という言い方とともに、日本の公司社会で「コンプライアンス」という言叶が広く用いられるようになったのは、今から二十数年前、2000年代初头の顷であった。それ以前は医学用语としての使われ方のほうが一般的だったようで、当时、だいぶ使い惯れてきたインターネットでこの言叶を検索すると、肺や医疗机器の写真ばかりがヒットして、困惑していたことを思い出す。
法令(等)の顺守、の意味でのコンプライアンスが日本で人口に膾炙する10年ほど前に、アメリカでは、公司におけるコンプライアンスの导入と彻底が急速に进められるようになったといわれる。と同时に、法令顺守だけではなくそれを超えた、あるいは包含した、公司における伦理の必要性もまた问われるようになった。
当时、ハーバードビジネススクールで教鞭をとっていたリン?厂?ペインは、公司における伦理マネジメントをコンプライアンス志向のものとインテグリティ志向のものとに整理し、后者の优位性を论じている。公司の「外にある」法や规则を顺守すること、违反しないことのみに(???)主眼を置くのではなく、経営者や组织が「自らの」伦理的な理想や価値を明确にし、それを全ての构成员が共有し実践することで、组织の「よさ」を実现していくのが后者、インテグリティ志向の伦理マネジメントである。ここでは伦理は守るべきものというよりは実践するものであり、受动的に従うというよりは能动的に判断することが求められる。もちろん、だからといって自己利益のために法や规则をないがしろにするということではなく、むしろ责任を伴った、主体的に従うということが要求され、それをも统合した「あり方」が问われることになる。
こうした、主体性や自律といった概念は、组织の中の人のマネジメントを考える上でも重要であり、また近年、より着目されるようになってきている。働く人々の动机づけやモチベーションに関する考え方の1つに、外発的动机づけと内発的动机づけを区分する、というものがある。外発的动机づけとは给与や赏罚といった他者から与えられる外的报酬によって行动を起こすことをいい、内発的动机づけとは仕事そのものが面白く楽しいので行うといった、活动そのものに动机づけられて自ら行动することをいう。后者の内発的动机づけを生み出すためには自律性と有能感の2つが必要とされるが、特に自律性は自己决定(の感覚)によってもたらされるため、具体的な指示?命令による统制や监视は阻害要因となり得る。
働くことの目的はさまざまにあり、また多くの场合、金銭や报奨といった外発的なものと、仕事それ自体が楽しいといった内発的なものとの両方が、働く人々の动机づけに必要であろう。しかしその上で、働きがいのある仕事、というときには后者、内発的动机づけによるモチベーションがやはり不可欠であり、ともすれば统制や监视が强调されやすいコンプライアンス志向の伦理マネジメントは、働く人々の自己决定の感覚や自律性とトレードオフの関係に陥りやすいことを意识しておく必要がある。
一方で、特にインテグリティ志向の伦理マネジメントは、人々の働きがいにより积极的に寄与し得ることが明らかにされつつある。「働きがい」を构成するものはさまざまに考えられるが、その1つに、仕事の有意味感というものがある。自分の仕事に「意味」があるとする感覚で、そうした仕事をミーニングフル?ワークともいう。
この「意味」を见出すには、自己実现や成长の実感といった自己にとっての重要性と、周囲や社会への影响という他者にとっての重要性の、2つの「重要性」が必要とされる。特に后者、他者にとっての重要性を意识する要因となり得るのが、组织や职场の社会性であり、社会に対していい仕事をするという伦理と、そのマネジメントなのである。それには、いわゆる社会课题の解决に直结するような、大きなプロジェクトもあり得るが、日々の仕事や事业活动は、何らかの点で顾客や社会に贡献する侧面を持っている。経営者や现场のマネジャーがビジネスをそのように捉え、公司の目的を问い直し、働く人々の仕事の意味づけを変えていくことが、働きがいを生み出し、ひいては社会の规范を守るということにもつながり得る。
コンプライアンスという言叶の普及とともに、公司の社会的责任ということもより大きく、重いものとして问われるようになった。これを果たすことと、人々がいきいきと仕事をし、いい职业人生を送ることをいかに両立していくかということが、これからの経営にとっての1つの课题になると考える。それは同时に、「全体としての望ましさ」を、社会の侧としての我々がどう考えるのかという问いでもあるのではなかろうか。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。