执笔者プロフィール

吉田 彻(よしだ とおる)
その他 : 同志社大学政策学部教授塾员

吉田 彻(よしだ とおる)
その他 : 同志社大学政策学部教授塾员
ポピュリズムの台头が指摘されてから久しい。ヨーロッパについていえば、ノルウェー、フィンランド、イタリア、ギリシャ、スイス、オーストリア、ハンガリー、ブルガリア、スロヴァキア、ポーランドなどで、左右を问わないポピュリスト势力が连立政権の一角を占めるようになっている*1。今年になってからは、オランダの极右?自由党が连立政権入りを果たし、さらにはオーストリア下院选では、ネオ?ナチの系谱に位置づけられる自由党が过去最大议席を获得した。
2010年代はポピュリスト势力の台头が危惧されたが、ブレグジットやトランプ政権诞生に続き、左右のポピュリスト势力は各国で3割程度の得票を获得するようになり、ポピュリスト政権はもはや「ニュー?ノーマル」となった。そしてこれらの国々では司法の独立や报道の自由、あるいは政策効率の低下などが指摘されており、いわゆる自由民主主义と呼ばれる政治体制のポテンシャルを损なうことも分かっている*2。上记の国々は比例代表制を採っているため、连立政権にポピュリスト势力が参画しやすく、また政策が穏健化されやすいといえるが、今后はフランスのような多数代表制の国で、政権夺取が実现するかどうかがひとつの焦点となるだろう。フランスでは、左右両极のポピュリスト(屈しないフランスと国民连合)があわせて议席の约3分の1を有している。これからも各国の既成政党は、ドイツ?メルケルの大连立政権(2013-2021年)や现在のフランス?バルニエ政権のように、左右両极のポピュリストを排除するために、不自然な连合を余仪なくされることが予测される。
もっとも、ポピュリズムが何を具体的に指すのか、と问われれば正面から答えるのは容易ではない。左派、右派ともにグローバル化を嫌い、前者は経済グローバル化(自由贸易?金融资本主义)、后者は社会グローバル化(移民受け入れ)を嫌うという点で共通しており、近年では骋础尝(グリーン?オルタナティブ?リバータリアン)と罢础狈(トラディショナル?オーソリタリアン?ナショナル)という対立轴が生成しているともされる*3。もっとも、ポピュリズムには「反エリート」や「反既成政党」を标榜していること以上の定义を见出すことは难しい。日本では「大众迎合主义」や「反知性主义」などと同义で用いられることが多いものの、理解が难しいのは自由主义や社民主义と异なり、ポピュリストと呼ばれる政党や政治家らが自らをポピュリストと形容しないことにある。つまり、ポピュリズムやポピュリストという言叶自体が、政治的?経済的?文化的エリートによって好ましくないとされる政治の呼称であって、それ自体が何か本质的かつ体系的な意味合いを持っているわけではないのである。
歴史を振り返れば、ポピュリズムという言叶や概念は定期的に用いられてきた。19世纪末にはアメリカ人民党(通称ポピュリスト党)がその代名词だったし、戦后にはマッカーシズムやプジャーディズム(フランスの反徴税运动)、现代ではサッチャリズムや小泉政治といった新自由主义的改革志向の政治がポピュリズムとされてきた*4。またその过程では、毛沢东主义やカストロ主义なども、ポピュリズムとされてきた。このように多种多様なものがポピュリズムと総括されてしまうのは、これらの政治が単に我々が惯れ亲しんだ政治的マトリックス(资本主义対社会主义、保守対リベラル)に収まりきらないためである。
ポピュリズム政治台头の背景には、経済不况が影响していることは间违いなく、2010年代のそれはユーロ危机の痕跡が见られる。ただし、过去にポピュリズムという言叶が流通した时には、それが时代の构造的な転换期に当たるものだったことを想起すべきである。19世纪末は农业経済から工业経済への本格的离陆の时代であったし、戦后は都市化とサービス产业化の进展があった。90年代には欧州统合の深化があり、そして21世纪からは一层のデジタル経済発展と戦后最高水準の世界规模での人口移动がある。こうした変転にあって、现代のポピュリズム政治はこうした変化を好ましくないと思う人々の支持を集めることで伸长してきた。これは戦后の相対的な豊かさと安定が丧失されつつあることをも意味している。
ポピュリズム政治の叁度の出现は、我々が大転换期にあること、先进国の政治経済上の分岐点に立っているということを教えてくれる。
*1 Anchal Vohra, "A Far-Right Takeover of Europe Is Underway". Foreign Policy,March 14, 2024.
*2 吉田彻、鷲田任邦「権力に就いたポピュリスト──民主制下の统治に与える影响とその条件の検讨」、宇山智彦编『権威主义とポピュリズム』、白水社、近刊。
*3 Hooghe, L,et al., "Field of Education and Political Behavior: Predicting GAL/TAN Voting". American Political Science Review. Published online 2024.
*4 大岳秀夫『日本型ポピュリズム』中公新书、2003年。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。