执笔者プロフィール

山内 弘隆(やまうち ひろたか)
その他 : 一橋大学名誉教授その他 : 一般財団法人運輸総合研究所所長塾员

山内 弘隆(やまうち ひろたか)
その他 : 一橋大学名誉教授その他 : 一般財団法人運輸総合研究所所長塾员
第7代大阪市长关一(せきはじめ)は、1893年に高等商业学校高商本科(现一桥大学)を卒业し大蔵省(当时)に奉职した后、1897年母校に戻り教授となった。担当は社会政策论、交通论等である。しかし、关は大学教员の职に満足せず、乞われて大阪市助役となり1923年市长に就任した。市长时代の关は「まちづくり」で有名だが、最大の成果は地下鉄御堂筋线の整备であろう。
御堂筋线の建设にあたって关は受益者负担金制度を取り入れた。これは、1919年に制定された「都市计画法」、「市街地建设法」を根拠とする。地下鉄駅の出入り口を中心に半径700メートルの円を描き、その内部の地主に负担金を求めるものである。负担金制度の目的はもちろん「事业财源」の确保であるが、当时の研究者によれば、地下鉄整备に伴う周辺地価の上昇を前提とした公平性の确保でもあるという。「开発利益还元」の理论を実践したのである。
“Every Tub Must Stand on Its Own Bottom.” この有名なイディオムは、鉄道の世界では「事業は独立採算でなくてはならぬ」と解される。しかし、鉄道整備の歴史を振り返れば、独立採算で鉄道が成立する例は少ない。鉄道は社会経済インフラとして多大な外部効果を発生させる。鉄道事業の成立と発展は、この外部効果を取り込んで「マネタイズする」ことで実現されてきた。阪急電鉄中興の祖、小林一三の沿線開発がその嚆矢である。
巨额の设备投资と长い懐妊期间を要する鉄道事业は、固定费比率が高く规模の経済が大きい。输送単価を十分に下げるだけの需要が存在して初めて独立採算が可能になる。しかし、特に开业当初は需要がままならない。地域の発展とともに旅客が増大すれば初期投资を回収するフェーズが访れる。それでも巨额な初期投资と固定费の回収には开発利益の还元が必要である。この手法が资源配分上も正しいことは理论的にも証明されている。最适都市规模を分析したヘンリージョージ定理の応用である。
コロナ祸による需要の落ち込みがきっかけとなって、ローカル线や地域鉄道のあり方が话题になっている。闯搁の场合、ローカル线を支えているのは、収益路线からの利益の移転(内部补助)だが、鉄道事业が全体として低调になればその余力は限られる。直近のコロナ祸の影响は甚大で、闯搁本体の屋台骨を揺るがす事态となっている。さらに、震灾や异常気象に伴う鉄道施设の损害に及んで、财务的に復旧が困难となるケースもある。
地域鉄道では、そもそも路线间内部补助は期待できない。现在も生き延びている95事业者(うち26事业者31路线は旧国鉄の「特定地方交通线」からの転换)の输送人员はピーク时の1990年から2019年までに22%减少した。経常収支ベースで黒字となっているのは、全事业者の21%、8割は赤字公司である。これでも2019年、コロナ前の数字である。
鉄道150周年の本年、国土交通省の审议会は「鉄道事业者と地域の协働による地域モビリティの刷新」を目指した提言をまとめた。国が鉄道事业者と沿线自治体の间に「协议の场」を设け、协议を通じて「鉄道を运行する公共政策的意义が认められる线区」と「叠搁罢やバス等によって公共政策的意义が実现できる线区」に分けて、出口戦略を考えるという。もちろん、前者でもそれ相応の地域と利用者の负担が前提であり、事业者には彻底した効率化が要求される。后者の场合、叠搁罢やバス输送への円滑な移行を可能とする制度が求められる。
事业者と地域が话し合って鉄道のあり方を探る。将来の鉄道事业にとって唯一の解决策であり、现状を踏まえて妥当な提言であると考える。ただ、容易に予想されるように、その协议は长期间を要し、场合によっては事态をさらに悪化させる可能性がある。「手遅れ」にならないうちに合理的な决断が必要である。また、地域と革新的な事业者が手を结ぶことによって地域鉄道が活性化した例もある。世に言うイノベーションは、このような场面でこそ重要である。
その际、是非とも考虑されるべきは、上述のような鉄道がもたらす外部効果の取り込みである。もちろん、人口减少、利用者减少下の地域鉄道に关一や小林一叁が実现した沿线の开発利益还元を求めるのは奇想天外である。しかし、地域鉄道がもたらす外部効果には、现代であればこそ认められるものがある。
例えば、迫られている脱炭素社会の実现に资するために、鉄道施设を利用した地域电力システムの构筑が提案されている。内容は、鉄道用地を使った再生可能エネルギーの导入、路线状に敷设する送配电システム、それらを组み合わせた脱炭素のまちづくり、地域电源の构筑等々。地域电源は强靭化にも有効である。
これらが厳密な意味での「外部効果」にあたるかどうかは问题でない。地域鉄道やローカル线がサステイナブルであるには、社会インフラとしての重要性が强调されるべきであり、セクターを越えた取组みが必要なのである。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。